春、きみにさよなら。 ケンカした日もあった。泣いて家を飛び出した日もあった。 忙しさにかまけて、会話のない日もあった。 でも、さいごのじかんはとても優しく流れる。 きみはもう、わがままも言わずに。 僕のそばにいてくれた。 おそろいのカップ いつものパジャマ 聞きなれた携帯のメロディ ブレンドのコーヒー きみはカフェオレで いつものテレビと たまに吸う、マルボロのメンソール 春がくれば、ぜんぶさよなら。 二月末日、送別会後。 三月上旬、霧雨。 三月中旬、手を繋ぐ白昼夢。 三月中旬、夜空のむこうに。 三月末日、またここで会いましょう。 四月初日、冬にさよなら。 ▲top