我が愛しの姫君






「なぁなぁ」

「ん?何だユーリ」

「ヴォルフってさー、意外に強かったりするんだな」

「意外とは何だ!ぼくは言われなくともお前より数十倍強いぞ!?」

「それはわかってますってば。そうじゃなくて、なんつーか…」

「何だ?早く言え。ぼくは寝るぞ?」

「んー……時々ヴォルフが騎士みたいに見えるんだ」

「…はぁ?騎士?」

「てゆーか…本にでてくる王子様みたいな?」

「……それは、ユーリにとっての、か?」

「当たり前だろ?おれがそう思うんだから」

「…ふむ」

「なんかヴォルフと居ると最近は頼りになるっていうか」

「……」

「助けてもらったりするし、…うん、頼りになる。ありがとな」

「…ユーリ」

「ん?」

「誘ってるのか?」

「は!?」

「要は、頼りになるぼくが好きだって言いたいんだろう?」

「へ?お前飛躍しすぎ…」

「もっと素直に好きと言ったらどうだ」

「や、ヤだよ」

「言わないと寝かせないぞ」

「な、何だよソレ!」

「明日に響く事をしてやるぞ」

「……意地悪」

「嫌なら好きですと言ってみろ」

「………好きだよ」

「…うん」

「お、お前は?」

「好きに決まってるだろう」

「だ…誰を?」

「…愛しの姫君」

「え?」

「我が愛しの姫君」

「何ソレ…」

「だってぼくがユーリにとっての王子様なら、ユーリはぼくにとって姫君だろう?」

「えっ、おれ女なの!?」

「別にどっちでもいいだろ」

「えー…姫君かよ」

「ぼくにとってはユーリは可愛い姫君だ」

「可愛いゆーなっ、嬉しくないっ!」

「じゃあ愛しの姫君、唇を拝借」

「っ……!」

「……」

「…、いきなり…びっくりした」

「絡ませてきたくせに」

「う、うっさい!」

「おや、顔が赤いぞ?」

「…〜ヴォルフのせいだ」

「じゃあ責任を取ってやろうじゃないか」

「う?……っ!!」

「誘ったのはユーリだから文句は言わせないぞっ」

「さ、誘ってなーいっ!」










2004/12/14より。
ヴォルユ。この頃はヴォルユ派だったんですよ。