初キッスのお相手は?





「しょーちゃん」

「ん?なぁに?」

「おとーだまちょーだい」

「え?お年玉?」

「うんー、おとーだま!」

「いいよ、じゃー手を出して」

「うんー」

ぽと。

「はい、お年玉」

「おとーだまー?」

「うん、玉を落としたろ?だから落とし玉」

「ちがうのー!」

「え?やっぱダメだった?」

「ちゅーなの!」

「え?」

「ままはー、ゆーちゃんにちゅーしてくれたのー」

「ちゅー?」

「おとーだまくれるってーゆってー、ほっぺにちゅーしたのー」

「……へぇー」

「だからー、しょーちゃんも!」

「ゆーちゃん、僕からも欲しいの?」

「うんー、ちょーだい?」

「……、うん」

「えへへー」

「じゃー目ぇつぶって?」

「んー?こーぉ?」

「うん、そのまま」

ちゅっ。

「うー?」

「目ぇ開けていーよ」

「ほっぺー?」

「ん?違うよ、僕からのは特別、すぺしゃる」

「すぺしゃるー?」

「うん」

「えへへー、しょーちゃん、ありがとー」

「こちらこそ」









「おい有利、お年玉やろうか」

「え?マジで?」

「おう、手ぇ出せ」

「わー、やったー…」

ぽと。

「おとしだまー」

「うわ、キタネー!」

「騙される方が悪い」

「なんだよー、期待して損したー」

「まぁフテるな。こっちに本物がある」

「え?」

「ほらよ、貧乏高校生」

「うわ、マジ?ありがと!開けるな?」

「どうぞ」

「ん?何コレ…」

「何って金だよ」

「十京円札ってあるわけねーだろ!裏メモ帳だし!」

「に、二度も騙されてやんの…バカだこいつ」

「し、勝利が手の込んだ事するからだろー!?」

「じゃあちゅーでもしてやろうか?」

「はっ!?何でいきなり」

「お前は覚えてないかもしれないけど、それがお年玉の時代もあったんだよ」

「……まさかあれかー!?おふくろに騙されてずっと信じてたお年玉」

「覚えてんじゃねーか」

「そ、そういやお前…」

「ん?何だ?」

「いや、な、何でもねーよ」

「何か思い出したか?」

「思い出してなんかっ」

「俺はゆーちゃんに迫られるままちゅーしてやった事を覚えてるんだけどなぁ?」

「な、おっ、覚えてたのか!」

「あたり前だろ?ちゃんとした場所も覚えてるぜ」

「い、言うなっ!」

「まぁゆーちゃんの初キスは俺って事だな」

「うわー!やっぱりー!」








2005/1/2より。
初醤油。
ハガちゃん銀行券の十京円札、うちにあります(笑)