ホワイトデー






「ユーリ!」

「何、ヴォルフ…楽しそうな顔して」

「今日はお前の育った国で言う『ホワイトデー』らしいな」

「うん…って何で知ってんの?」

「あいつに聞いた」

「あいつって…村田か?」

「あぁ。それでぼくもユーリにホワイトデーとやらをしてやろうと思ってな」

「ん…でもおれ、ヴォルフにチョコあげてないぞ?」

「ん?チョコ?そんなの関係ないだろう」

「へ?」

「それより、ホラ」

「何?背中に紙はっつけてんの?……って、はぁ!?」

「どうだ?」

「どうだって…ヴォルフ、何で背中に『据え膳』って書いた紙を貼ってるんだ!?」

「すうぇぜん?それはそう読むのか。あいつがこの紙を背中に貼ってユーリに見せれば喜ぶと言っていたから…」

「む、村田のヤツまさか…」

「『食わぬは男の恥』とか言うのだろう?何を食わぬのかは解らんが、これと関係があるのか?」

「わー!!大事なトコ抜けてるし!」

「ホワイトデーとは、この紙を背中に貼って喜ばせたい相手の元へ行くと聞いたぞ!ユーリ、嬉しいか?」

「ううう嬉しいってどーいうコトですか!」

「ユーリなら絶対に喜ぶとも言ってたぞ!」

「な、村田」

「どうなんだ?食わぬは男の恥なんだろう?」

「くくく食わぬって!」

「…顔が赤いぞ?平気か?」

「へ、平気じゃなーいっ!!」






2005/3/14より。
…至上最強の天然誘い(笑)