愛してる?





「ユーリ、ユーリはぼくの事を愛しているのか?」
「ぶっ」
「わっ!何吹き出すんだいきなり!」
「そ、そっちがいきなり変な事言い出すからだろー?」
「変な事だと?どこも変ではないだろう!」
「っ、大体いきなり何なんだよ!」
「ユーリはぼくの事を愛していないのか?」
「どうしてそうなるんだよっ」
「では聞くが、ユーリはぼくに愛してると言った事があるか?」
「………、」
「無いだろ?無いだろ?無いだろぉー?だから聞いているんだ!」
「そんな喧嘩腰で聞くなよっ」
「…じゃあ普通に聞いてやる。ユーリ、お前はぼくを愛してるのか?」
「……そりゃ、まぁ」
「………それなら、ぼくを愛してると言って欲しい」
「…っええ?!言うの?おれが?」
「そうだ、ユーリの口から言ってほしい」
「だってそんなの誰にだって言った事無いのに」
「だから最初に言って欲しいんだ」
「……あっ、ヴォルフだっておれに愛してるなんて言った事ないだろ?それならおあい」
「愛してる、ユーリ」
「っ!!」
「世界で一番愛してる。ユーリ、愛してる…」
「…!!!」
「…だから…ユーリも言ってくれないか?」
「……な、」
「ユーリ…」
「……ぁ……あ……あ………」
「…ユーリ?顔が真っ赤だぞ…」
「だあぁーっ!!もう駄目だあっっ!!」
「ユーリ!?」
「ごめんパスっ!おれには無理だっ!」
「え?ちょっ…」
「うわあああああっ………」
「……行ってしまった…」
「……おんや〜?フォンビーレフェルト卿、今ゆでだこ状態の渋谷が凄いスピードで走って行ったけど…」
「…ユーリはぼくの事を愛していないのか…?」
「は?」
「こっのユーリの裏切り者ーっっ!!」
「っておーい?!きみも何処に行くんだーい?」
「待てユーリぃぃ!……」
「…ありゃ、行っちゃった…ん?何この本。なになに…『愛してるの言葉が無くなったら2人の愛は終わりよ。』著…ツェリ様?……うーん、日本男児には向いてない内容だよね〜、やっぱり」




2006/7/2より。
照れる陛下と天然プー。