コンセプション





勝利さんの一番欲しいものをあげるって言った。
そしたら勝利さんは言おうとした。欲しい物?だが其の言葉は塞がれた唇によって遮られた。
もしこれがキスだったら幾分かはロマンチックな気分になったのかもしれない。
でも僕が勝利さんの形の良い柔らかそうな口に詰めたのはそんなものじゃなかった。
驚いて目を見開く勝利さんに笑いかけると、鋭いカーブを描いて、全身の力で彼の頬をぶつ。

「っ!」

彼の体が引力に連れて行かれるのを見ながら、それはとても綺麗なものだと思った。
例えて言うならはらはら舞う落ち葉の中にスローモーションで埋もれていく彼のささやかな結末の様。 ベッドに飛んだ彼の歯は、有り難い事に折れてはいなかった。

「ああ勝利さん、貴方を想うだけで僕は今死ねるかも知れない」

赤く腫れていく真っ白い頬に
そっと手を沿え
はじめてのくちづけを落とす。

「愛してるよ愛してる。心の底から勝利さんが欲しいんだ」

服を剥いで下着を脱がして、温めておいた潤滑油を後孔に垂らす。
湿り気を帯びたそこにゆっくり、指を入れて解していく。
早く起きて、キスはもうしたはずなんだから。

「ねぇ、勝利さんの一番欲しいモノをあげるよ」

それは自分が一番あげたいモノだったりもするけれど。

「っ…!!!!!ぐがっ!!!!!!!」

「おはよう勝利さん」

なんて笑ってみたものの、多分彼は今おかれて居る状況に気付く事すら出来ないだろう。
自分の思っても見ないところに僕のが挿入されているなんてね。
いや、勿論まだ全部は入りきってないのだけれど。

「…ぁ!!!ううーっ!う、ぐぅっ!!」

「何?どうしたの勝利さん?」

声にならない声を発する口から漏れるのは飲み込めない唾液。
今解放してやるのは面倒なので取り合えず全てを埋め込む事にした。
途端に勝利さんが体を捩って抵抗する。
何をされているのか気付いたらしい。

「勝利さん、今の状況解った?今勝利さんは僕に犯されてるんだよ」

「っ!!んぅうーっ!!!」

手足を拘束されて足を開かれて、他人のモノを咥え込んでいる姿を勝利さんはぼやけているであろう視界で確認する。
そして僕を強く睨むとその瞳から大粒の涙を流した。あっと言う間の出来事で、僕はあやうく達してしまうかと思った。

「嫌なの?勝利さん辛いの?」

言いながらも腰をどんどん進めて、遂には全てを埋め込む。ギャグボールを取ってやると泣きながら勝利さんは僕の名前を呼んだ。

「うあっ…らにすんらむららっ…」

「何って、レイプだよ」

ろれつの回らない勝利さんの腰を掴むと律動を開始する。開始早々締め付けにイってしまいそうになる自分のモノを叱りつつ、しゃくりあげる勝利さんの頬に触れる。

「ごめんね、痛かったでしょ?でも勝利さんが好きだから仕方ないんだよ」

そっと撫でて唇を押し当てる。勝利さんの涙の味と、繋がったままのキツイ体勢にあがる苦痛の声。

「やーっ!抜いてくれ村田っ!!i痛い痛い痛いっ!!」

「やだよ、やっと勝利さんの中に出せる日が来たって言うのに」

「っ!だ、出すな出すな!俺は嫌だっ!」

「でも勝利さんに命令する権利もないよ。だって僕の方が勝利さんを好きなんだから」

汚れを知らない勝利さんの後ろを容赦無く貫く。ぎちぎちと締りの良い温かさについ笑みが漏れる。
ああこのまま勝利さんとひとつになりたい。こんなにも近くにいるのだから。

「うああっ、やぁだっ!俺は男だぁっ!」

「何言ってるの勝利さん?今男である勝利さんは男の僕に犯されてるじゃないか。もうこの時点で勝利さんの男としての威厳は無いに等しいんだよ。本来挿入する立場の勝利さんが僕にハメられてるなんてね。有利が見たらどんな顔するかなぁ。お兄ちゃんが男に犯されたなんて知ったら。それも自分の親友に」

「ぁ…やだやだやだやめろよっ!!!っああ!」

「ねぇ勝利さん、僕の子供産んでよ。とっても可愛い子が産まれると思うんだ。男の子がいいな、少し視力は悪いかもしれないけど勝利さんに似た子だったら僕は構わないよ」

「俺はっ…んっ!!」

「休みの日はその辺に出掛けてさ。僕も勝利さんと子供の為なら頑張って働くよ。そんで夜は愛し合おう?勝利さんを滅茶苦茶に犯して僕だけの性奴隷にしてあげる」

「いやだっ!やめろぉっ!村田やめてやだやだやだ」

「あっ勝利さん、そんなに締めたら勝利さんの中に出ちゃう」

「ひっ!!!」

どくん。と漏れるのを感じて目を閉じた。

「ああっ…出ちゃった、勝利さんの中に全部…」

流れていく感覚に身を任せて息を吐くと勝利さんは静かになっていた。

「…これでもう勝利さんは汚れ物だ」

「…っ、…なんでっ」

「それはね」

涙を流す勝利さんのその濡れた頬に欲情しながら涙を拭う。

「勝利さんを心から愛しているからだよ。殺したいくらいに」

にっこり笑うと勝利さんはもう何も言わなかった。
僕は柔らかい唇を重ね合わせると、止まない熱を消化する為に勝利さんを揺さぶる。

「ねね、勝利さん?」

勝手に緩む頬を抑えずに勝利さんに微笑みかける。

「勝利さんが孕むまでずーっと繋がっていようね」

甘い声でそう囁くと、勝利さんは今度は声を上げて泣き出した。








end,


変態どころの騒ぎじゃない…(管理人が)